2022年 武蔵算数講評
講評です。
難易度
A…絶対に正解しなければいけない問題
B…出来不出来が分かれる問題
C…正答率は低いが取れたらアドバンテージになる問題
D…時間をかけるだけ無駄な問題
【大問1】
(1)数の性質(難易度A)
アは2~9の最小公倍数を出します。実際には5、7、8、9の積を求めるだけです。イは答えの2520を8で割れば最大の奇数となる315となります。ここで間違えているようでは合格は厳しいです。
(2)和と差の問題(難易度B)
必要なお金がすべて21の倍数なので、あらかじめ21で割っておけば3円、4円、236円と設定でき、金額の差も枚数の差も1となるので封筒の数の和が70通とわかり、つるかめに持っていけます。和と差の問題の力をはかる良問です。検算ができるのが安心材料となっています。
【大問2】
平面図形
近年は平面図形の難度も上がっていたのですが、今年はかなり基本的な問題を出題してきました。砂時計型の相似形についてと面積と辺の比の基礎がわかっていれば完答できたはずです。正直5年生でも問題無く完答できるレベルでした。
(1)(難易度A)
GH:HDの情報を使わずに解けます。受験生のほぼ全員が正解しているはずです。
(2)(難易度A)
少々計算が面倒ですが、難易度は大したことはありません。解くための方針はいくつかありますが、武蔵を受ける受験生でしたらミスが無ければ完答できます。
正直、ここまで易しくした理由が不明です。
【大問3】
調べ問題
(1)(難易度A)
3~8の中で和が12になる組み合わせを書くだけですが、9を除き(48)(57)はすぐ見つかります。(345)を忘れやすいので注意です。
(2)(難易度B)
3~8の中で和が11以下となる組み合わせを書きます。2個、1個、0個に場合分けをして足すと良いですが、全部書くことも可能です。
(3)(難易度C)
全体から(1)(2)を引けば良いのです。全体は分配する個数で場合分けをするだけなので、それほど難しくありません。(1)(2)を間違えてしまうと一緒に間違えるので難易度はCにしました。ただし、44通り程度なら全部書けるので、全部書くという手段を取っても良いです。
大問の中でも差がついたと思われる問題です。武蔵対策としてしっかり調べ問題を解きこなしていれば完答は難しくないですが、作業が雑な受験生は完答できなかったはずです。
【大問4】
速さ
大問4が速さというのは珍しいです。
(1)(難易度A)
円周率が22/7というのは入試問題で稀に見ますが、とうとう武蔵にもきたかという感じです。ただの計算問題でした。
(2)(難易度A)
角度の問題なので、実際の角速度を求めても良いですし、比を使って弧の長さを22、直線部分を14、Pを毎秒1、Qを毎秒2として解いても良いです。基本的な計算ができれば問題ありません。
(3)(難易度C)
Bでも良いですが、答えを2つ書かないといけないため、きちんと作業ができないと完答できない構成でしたのでCにしました。ダイヤグラムを書いて一気に解いてしまうのも良いですし、どの瞬間が3回目なのかがすぐにわかればダイヤグラムを書かなくても良いです。
今回のテストは大問1と2を完答しやすいため、序盤から焦らずに進められた受験生が多かったように思います。しかもこの中で最も難易度が高い(といっても難易度Bですが)大問1の(2)が検算が出来るタイプだったため、さらに安心できたはずです。
大問3と4はしっかりと差がつく問題になっているのですが、(1)が簡単なため、かなり大きな差がついたとは言えません。
今回は25点か0点かという問題が無かったため、受験者平均と合格者平均の差がとんでもなく大きくなることは無さそうですが、平均点自体は例年より高いはずです。過去10年の中での難易度は平成24年の次くらいに易しかったように感じました。
受験者平均は50点後半、合格者平均が70点台半ばと予想します。
ただし、採点側の立場に立つと部分点を細かく設定しづらいような問題に思えましたので、もし部分点の設定がほとんど無いなれば-5点ずつ位になるかもしれません。
また、出願人数がかつてない人数でしたので、増えた層がどの層なのかでも変わってくると思います。正直ここはわからないので普通に外してしまうかもしれません。
以上です。
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難易度
A…絶対に正解しなければいけない問題
B…出来不出来が分かれる問題
C…正答率は低いが取れたらアドバンテージになる問題
D…時間をかけるだけ無駄な問題
【大問1】
(1)数の性質(難易度A)
アは2~9の最小公倍数を出します。実際には5、7、8、9の積を求めるだけです。イは答えの2520を8で割れば最大の奇数となる315となります。ここで間違えているようでは合格は厳しいです。
(2)和と差の問題(難易度B)
必要なお金がすべて21の倍数なので、あらかじめ21で割っておけば3円、4円、236円と設定でき、金額の差も枚数の差も1となるので封筒の数の和が70通とわかり、つるかめに持っていけます。和と差の問題の力をはかる良問です。検算ができるのが安心材料となっています。
【大問2】
平面図形
近年は平面図形の難度も上がっていたのですが、今年はかなり基本的な問題を出題してきました。砂時計型の相似形についてと面積と辺の比の基礎がわかっていれば完答できたはずです。正直5年生でも問題無く完答できるレベルでした。
(1)(難易度A)
GH:HDの情報を使わずに解けます。受験生のほぼ全員が正解しているはずです。
(2)(難易度A)
少々計算が面倒ですが、難易度は大したことはありません。解くための方針はいくつかありますが、武蔵を受ける受験生でしたらミスが無ければ完答できます。
正直、ここまで易しくした理由が不明です。
【大問3】
調べ問題
(1)(難易度A)
3~8の中で和が12になる組み合わせを書くだけですが、9を除き(48)(57)はすぐ見つかります。(345)を忘れやすいので注意です。
(2)(難易度B)
3~8の中で和が11以下となる組み合わせを書きます。2個、1個、0個に場合分けをして足すと良いですが、全部書くことも可能です。
(3)(難易度C)
全体から(1)(2)を引けば良いのです。全体は分配する個数で場合分けをするだけなので、それほど難しくありません。(1)(2)を間違えてしまうと一緒に間違えるので難易度はCにしました。ただし、44通り程度なら全部書けるので、全部書くという手段を取っても良いです。
大問の中でも差がついたと思われる問題です。武蔵対策としてしっかり調べ問題を解きこなしていれば完答は難しくないですが、作業が雑な受験生は完答できなかったはずです。
【大問4】
速さ
大問4が速さというのは珍しいです。
(1)(難易度A)
円周率が22/7というのは入試問題で稀に見ますが、とうとう武蔵にもきたかという感じです。ただの計算問題でした。
(2)(難易度A)
角度の問題なので、実際の角速度を求めても良いですし、比を使って弧の長さを22、直線部分を14、Pを毎秒1、Qを毎秒2として解いても良いです。基本的な計算ができれば問題ありません。
(3)(難易度C)
Bでも良いですが、答えを2つ書かないといけないため、きちんと作業ができないと完答できない構成でしたのでCにしました。ダイヤグラムを書いて一気に解いてしまうのも良いですし、どの瞬間が3回目なのかがすぐにわかればダイヤグラムを書かなくても良いです。
今回のテストは大問1と2を完答しやすいため、序盤から焦らずに進められた受験生が多かったように思います。しかもこの中で最も難易度が高い(といっても難易度Bですが)大問1の(2)が検算が出来るタイプだったため、さらに安心できたはずです。
大問3と4はしっかりと差がつく問題になっているのですが、(1)が簡単なため、かなり大きな差がついたとは言えません。
今回は25点か0点かという問題が無かったため、受験者平均と合格者平均の差がとんでもなく大きくなることは無さそうですが、平均点自体は例年より高いはずです。過去10年の中での難易度は平成24年の次くらいに易しかったように感じました。
受験者平均は50点後半、合格者平均が70点台半ばと予想します。
ただし、採点側の立場に立つと部分点を細かく設定しづらいような問題に思えましたので、もし部分点の設定がほとんど無いなれば-5点ずつ位になるかもしれません。
また、出願人数がかつてない人数でしたので、増えた層がどの層なのかでも変わってくると思います。正直ここはわからないので普通に外してしまうかもしれません。
以上です。
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